今回は、「仕事が早く片付く働き方」についての解説です。
大げさではなく体感速度は3~5倍。さらに事故もなく、待ち時間や手戻りなどの無駄も省ける、これからの仕事のやり方をお伝えします。
仕事が早く片付く働き方について
私は2年ほど前から、外出する際にノートPCを持ち歩かなくなりました。
なぜなら、外出先での仕事が「スマホで完結させる」からです。
私の仕事はコンサルティングと、文章を書くコピーライティングの仕事、Webや各種セールスコンテンツ、ドキュメントのデザイン制作のディレクションが主です。
本来(人一倍)、1日中 PCが手放せない仕事です。
ではなぜ、そんな私は外出時にノートPCを持ち歩かないのか。
どのようにしてスマホで仕事を完結させられるようになったのか。
それが今回のお話です。
ノートPC卒業・スマホで完結
皆さんの仕事の中身を振り返ってみてください。
仕事にもよりますが、おそらくはメールチェック・返信、スケジュールの調整、資料作成、などがメインではないでしょうか。
これ、よく考えると「資料作成」以外の仕事は、全部スマホでできてしまうんですよ。
そのため私は、「資料作成はPCの前にいるときにやる」そして、「外にいるときはそれらの作業をやらない」と決めました。
実際に試してみると、メールの確認や返信、添付ファイルのチェックはスマホの方が早い。
スケジュールもGoogleカレンダーなどその多くはスマホライクなので、スマホの方が便利です。
文章もフリック入力に慣れたら、PCで打つより速くなりました(これはとにかく慣れることです)。
デザインのチェックバックにしても、スマホであればすぐに画面キャプチャを撮り、チャットで細かく修正指示を出すことができます。
慣れてしまった今では、PCの前にいる時でさえ、わざわざスマホで行っているくらいです(笑)
ただし、これには条件があります。
「仕事仲間にも同じ環境で仕事してもらう」ことです。
仲間にも同じ環境で仕事をしてもらう必要あり
私は数年前、仕事仲間に「今後はもうやり取りにメールを使わない」という宣言と、「共通のチャットツールを使ってもらえませんか?」という”お願い”をしました。
なぜなら、メールの送受信があまりに非効率で、それよりも効率的なチャットベースの仕事の仕方に気が付き、シフトチェンジしたかったからです。
正直、最初はかなり面倒くさがられました。
誰しも、今まで慣れているやり方を変えるのには抵抗があります。
無料とはいえ、PCとスマホにビジネス用のチャットアプリをインストールしてもらう手間もかかります。
最初のころはチャットに気付いてもらえず、やっぱりメールで送られてくることが続きました。
それでもメゲずにチャットで返事をして、何度も電話で理由を説明して、とにかく騙されたと思って協力して欲しい、とお願いしました。
そうすると、周囲の仲間たちも私の勧めるチャットシフトの仕事のやり方のメリットに、気づいてくれました。
〇チャットならプッシュ型でアプリに通知が届くのでメールより見落としが少ない
〇チャットなら既読が付くことで相手がいつ見たか・見ていないかが確実にわかる
〇チャットなら余計な挨拶も不要で、「さっきの続き」から話が進められる
〇受信トレイでクリック、返信をクリック、書いたら送信・・・などの手間が一切要らない
〇ファイルの添付や転送も慣れたらメールよりもカンタン
メールと違い、チャットはとにかくクイックにやり取りができます。一番の効果は、「いつまでも相手の返事を待つ必要がなく、すぐに返答がもらえる」という点です。
・・・よく考えたら、プライベートではとっくにこうしたメリットに気付いて、メールじゃなくてチャットでやり取りしてますよね?
なのになぜ、「仕事だけはメール」にこだわってるの?ということなのです。
「PPAP」はいますぐやめよう
ここで問題になるのが、「Zip圧縮してパスワードを後送」という「PPAP」問題です。
この「ファイルはZip圧縮して添付、パスワードは別メールで後送」というルールは日本で長らく使われてきましたが、あまりに生産性が低い上にセキュリティ効果も確実かどうか怪しく、総務省が是正を促しています。
にも関わらず、未だに多くの企業が続けています。これは単に「これまでそうしてきたから」という前例主義に縛られた考え方で、ズバリ言えば「情シス部門の怠慢」です。
ファイルに個別にパスワードをかけてしまうと、解凍するのが面倒で「後でいいや」になりがちです。さらには、後にそのファイルを開こうとした際に「パスワードなんだったっけ?」となり開けないことが多発します。
採用の仕事をしている人事部門の方は分かると思いますが「エントリーシートや履歴書にガチガチにパスワードがかかっていて、引継ぎする際に死ぬほど面倒」。業務に支障をきたしまくりの非効率的なやり方です。
チャットツール自体をビジネス用のセキュアなものを使えば、直貼りでも問題ありません。さすがにそれは・・・という場合は、Boxなどのセキュアな共有ストレージを使うのが、トレンドです。要は個別のファイルではなく、置き場所自体をセキュアにするという考え方です。
こうした働き方に変えることで、お互いにパッと見た瞬間にやるべきことがすぐ分かり、相手に具体的な指示ができます。
指示をもらう方も手戻りやロスタイムが少なく、双方ともに効率的で、メリットしかないワケです。
「PCの前じゃないとできない」やり方は今すぐ変えよう
こうしたPCでないとできない、机の前に座っていないとできない仕事のルールは、もう変えるべきなのです。
当時はそれが常識で、そのためのツールがそれしかないので使っていただけで、それが「未来永劫の決まり事だ」と勘違いしない方がいい。
日本人はとかく真面目で融通が利かないので、いったん決めたルールを変えることを怖がり、億劫がります。特に、企業の情報システム部はそれを絶対に許しません。
でも「PPAPが本当にケキュリティ上安全で、今どきの働き方に合った唯一無二のやり方なのか?」
・・・少し考えたら、そうじゃないことは明白だと誰にだってわかるハズなのです。
私のこのような「チャットベース」の仕事のスタイルは、最初は仲間内との間だけでしたが、この数年、コロナ禍で一気に広がりました。
私が頻繁にやり取りする外資系はもちろん、国内企業でも最初から、お客様から「このチャットツールを使ってください」と指定されるようになりました。
いまでは、頻繁にやり取りする取引先とも、Webex、Slack、Chatwork、LINE WORKSなどなど、ほぼチャットツールのみで仕事をしています。
メールをやめてチャットを主流にする
こう言うと、
「いやいやそれは特殊な例でしょ」
「当社はセキュリティの問題で、社内はともかく社外とチャットは使えません」
という方がいらっしゃるのですが…
正直なところ、それもどうなの?と思います。
先ほども述べたように、あなたの会社の情報システム部門がただ単に
「面倒だからこれまで通りのツールしか許可していないだけ」
かもしれません。
そのような場合は、たとえ若手の一社員だったとしても、自分から積極的に声を上げていくべきだと思います。
すぐには無理でも、一人一人が社内で声を上げ続けて、変えてもらう活動を行うこと。
最初から「どうせうちの会社は」と諦めないことが大切です。
相手の時間を強制的に奪う「電話」
そしてもう一つ、重要なのが電話です。
ズバリ、「電話は相手の時間を強制的に奪う”時間泥棒”」です。
なんでもかんでもいきなり電話で仕事する人は、これから先、嫌われる・相手にされなくなると思った方がいい。
もちろん細かなニュアンスなど、「直接話をした方が確実」というケースは多々あります。
それでもまずはチャットで要点を送り、相手と都合の良い時間を擦り合わせてから、電話しましょう。
そうすれば相手も「準備ができた状態」から話がスタートしますから、効率が格段にUPし、確実に物事が前に進みます。
「面倒だから電話しよう」という仕事のやり方は、相手にとっては迷惑で前時代的。「これからの時代はとにかく電話は嫌われる」、と自覚することが大切です。
電話からウェブ会議ツールにシフトする
さらに言えばこまかなニュアンスを伝える際も電話ではなく、Web会議ツールを使うことをおすすめします。
口頭のみではなく、同じ資料を見ながら、もっと言えば「その場で資料を直しながら」話す。
そうすれば、その場で仕事が終わります。
メールで資料を送る、相手と電話で話す、その後に資料を修正してまた相手に送って確認してもらう、返事が来ない・・・そして周囲の人からはその間の進捗が見えないので「あの件、どうなってますか?」と聞かれる・・・
こうした「無駄な、非効率過ぎるやり取り」が、仕事の生産性が上がらない原因です。
資料ができたらチャットで送る、その場で反応を聞く、必要があればそのままWeb会議を開いて資料を共有しながら指摘事項をその場で修正して、相手に確認してもらう。
そうすればこれまで半日以上かかっていた業務が、ものの30分で完結します。
そしてWeb会議と電話の大きな違いは、1対1ではなく複数名で同時にコミュニケーションできる、という点です。
1対1の仕事の仕方を改める
従来型のメールと電話を主体とした仕事の仕方は、もう一つ致命的な欠陥があります。
それは、やりとりが「1対1である」ということです。
多くの場合、仕事は1対1だけでするわけではありません。
なので、電話で仕事を進めると、その会話した内容を周囲のメンバーにも伝えないといけません。
非常に手間ですし、それをサボるから周囲と協働できないのです。
「でも、メールでCC入れてあるから」・・・
メールのCC、見てますか?ほとんどの人がスルーしていますよね。
忙しいビジネスパーソンは「参考までに」なCCのメールを細かくチェックするほど、余裕がありません。
チャット主体の働き方に変えると、この点も解消できます。
目の前のチャットルームで関係者が会話していると、参加者は当事者意識を持ってやり取りを確認します。
さらには「メンション」という機能で会話の途中で名指しで「○○さん、この件、どうですか?」と確認することもできます。
チャット上のオープンかつテキストで残る形のコミュニケーションなら、又聞きも、後から「俺は聞いていない」もなくなるわけです。
まとめ
いかがでしょうか。
仕事におけるトラブルの8割は、他者とのコミュニケーションのミスとロスと言われています。
従来のメールと電話主体から、チャットとWeb会議に変えることで、間違いなく待ち時間とミス・ロスが減り、仕事の効率は各段に向上します。
私はこうした仕事のスタイルに変えたことで、大げさではなく3倍から5倍、仕事が早く回せるようになったと感じています。ぜひ、トライしてみてください!
●「PCじゃないと仕事できない」を卒業する!
●メールではなく、チャットを主体にする(使えるように会社にアピールする)!
●Web会議で画面を共有して、確認と修正をその場で終わらせる!
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