今回は、仕事の「納期の捉え方」についての解説です。
仕事においてこの「納期の捉え方」を誤ると、予期せぬデメリットを被ることがあります。
「あの人は仕事がデキる人だ」「あの人の仕事は信用できる」という人たちに共通する、正しい納期の捉え方を学びましょう。
「いつまでですか?」と納期確認するのが良いという”常識”を疑おう
先輩や上司に仕事を依頼されたとき、多くの人は「いつまでですか?」と確認します。
もちろん、仕事を引き受ける際に納期を確認するのは大切です。「何か依頼されたら、いらしてきた人に『いつまでですか?』と確認しなさい」とビジネスマナーとして、指導された経験があるかもしれません。
確かに、それをせず黙って引き受けて「どうなってるんだ!」とトラブルになるのが最悪のパターンです。
それに比べれば、「いつまでですか?」ときちんと確認して、その指示通りの納期で仕事するやり方は、一見すると常識的で、理想的な仕事の仕方に見えるでしょう。
しかし。実はこの仕事のやり方には問題があるのです。なぜでしょう?
まず一つ目は、依頼する側の気持ちの問題です。
これはあなたが依頼する側だとしたら、と想像すれば、容易にわかると思います。「いつまでって・・・あなたそんなに忙しいの?いったいいつまでならできるの?」と聞き返したくなりますよね。
日本人はとかく遠慮がちで、人から嫌われることを怖れます。最近ではパワハラも気にしないとなりません。内心は「ほんとは急いでいて、なる早で欲しいんだけど・・・」と思いつつも、口では「手の空いてる時でいいよ、来週いっぱいでどうかなぁ?」なんて言ってしまったりします。
そして面白いことに。
何か頼みごとをしたとき、「納期ギリギリで提出してくる」のは決まって、仕事がデキない人です。仕事がデキる人は決まって、約束の納期よりも前倒しで提出してくれます。
たとえば、「納期」が来週いっぱい、金曜日だったとしましょう。
仕事がデキない人は大概、ギリギリの金曜日の夕方に提出します。指示通り、と言えばそうなのですが、頼んだ方は「まだかな、忘れてないかな」と、その間ずっと不安です。また、たいていはその当日、早くてもその前日あたりになって取り掛かり、慌ててやっているため精度も低いものが提出されます。
一方、仕事ができる人は依頼された数日後には「まだ途中経過ですが、こんな感じでいいですか?」と見せてくれます。依頼した人は対応の早さに感激します。そして、すぐに着手しているので鮮度が高く、おしなべて精度が高く、そのまま少し手直ししたら済むレベルなのでそのまま「納品」になり、仕事が完了します。
こうした対応が違う二人がいた時、あなたはどちらを信用、信頼しますか?
この差がどこから生まれるかというと、「納期の捉え方の違い」なのです。
「納期」は「ギリまでが自分の猶予時間」ではない!
仕事がデキない人は、納期ギリギリまでを「自分の猶予期間」だと捉えます。そのため、ギリギリまで先送りして、別のことをやっています。着手した頃には時間が経ち、依頼された際の細かなニュアンスなどは忘れています。鮮度が低い料理みたいなものです。頼んだ方は食べたい時期をとっくに過ぎているし、さらには鮮度も低いため、ちっとも美味しくありません。
仕事がデキる人は、納期はあくまで「相手の急ぎ具合を確認する目安」であり、そもそも依頼された仕事を先送りすることに嫌悪感があるので、一刻も早く片付けようとします。そして大まかに形になった時点で、相手に方向性を確認しようとします。そのとき、「約束した納期よりだいぶ早いな」などの遠慮はしません。抱えたままでは自分の仕事に差し支えがあるから、さっさと抱えたタスクを依頼主に戻してしまいたいのです。
するとどうなるでしょう。依頼した側は、思っていた以上に早く形にしてくれたことに感謝して、多少の粗さは目をつぶります。早く提出してくれたら、その分、自分で手直しする「余裕」が生まれるからです。
「納期」ギリまで引っ張ると、自分でハードルを上げてしまう
覚えておいて欲しいのは、コミュニケーションには“鮮度“が重要で、時間が経てば経つほど、相手はクオリティにも期待する、ということです。
納期ギリギリに提出する人は、自ら鮮度を台無しにして、さらにクオリティのハードルを上げてしまっているのです。
まとめ
いかがでしょう。今回は「納期」の捉え方と、「常に前倒し」で対応するメリットについて解説しました。
もちろんいろんなタスクを抱えているときや、すぐには片付かない重い依頼のケースもあるでしょう。それでも、納期は相手に委ねて受け身ではなく自分から「●日まででよいですか?」と主導権を持ち、コミットする勇気を持ちましょう。
そして納期は可能な限り前倒し死して、早め早めに方向性を確認、できるだけ早く自分の手元から相手に戻す習慣を身につけましょう。
そうすることで仕事における信頼は、確実にUPします。
● 依頼される際の「納期」は「いつまでですか?」ではなく「●日まででよいですか?」と確認、自発的にコミットする勇気を持つ
●「納期」までを自分の猶予期間だと捉えてギリギリに着手するのは最悪!
● 納期は可能な限り前倒し死して、早めに方向性を確認、できるだけ早く自分の手元から相手に戻す習慣を身につける(そうすれば相手は自分で修正できる!)
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