今回は、「チャット文章術」についての解説です。
徐々に仕事におけるコミュニケーションの主体が、メールからチャットに変わりつつあります。
あなたはチャットとメールの文章、書き分けられていますか?
仕事における上手なチャットの使い方
皆さんは、チャットとメールの違い、何だと思いますか?
メールは「手紙」、チャットはリアルタイムの「会話」・・・?
正解です。
お客さまや上司に対して、「メールのような文章を、チャットで送って」いないでしょうか?
なぜチャットが普及したかと言えば、やりとりがシンプルで早いからですよね。
せっかく仕事でチャットを使うのであれば、その特長を活かせる使い方をしましょう。
しかし、チャットはそもそもプライベートコミュニケーションから派生したツール。
そのため、いざ仕事で使うとなったとき、どのように発信したらよいかわからない人が、かなり多いのです。
「チャットは簡潔に」が原則ですが、簡潔にしすぎたが故に「言葉足らずで、うまく伝わらない」という事故が起こりがちです。
仕事のやり取りは込み入ったものが多く、お客さまや上司とのやりとりでは、友達との間のように「それな」「りょ」では済みません。
だからといって、「ビジネスチャットだから」とメールのように長々と堅苦しい文章を送ると、相手はそもそも文字量の多さに嫌気がさして、読む気が起きません。
そして長文であるが故に要点が分からず、なかなか返答がもらえない‥‥
このように問題が連鎖して行きます。
だからこそ、チャットはメールとは違う文章術が重要なのです。
ビジネスにおけるチャットでの重要なポイントは、以下の3つです。
①結論から述べる
②事実と感想を分ける
③一文を短くして行間を空けて読みやすく
1つずつ、解説していきます。
チャットコミュニケーションのポイント①「結論から述べる」
上司から「○○の件どうなった?」とチャットで聞かれたときに、「昨日~しまして、今日~しまして・・・」とダラダラ続くと、「要するにどうなの?」と言われてしまいます。
まずは「順調です」「うまくいってません」「やってます」「やってません」と、結論から述べてください。理由はその後です。
ここで重要なのは「あの件どうなった?」の「どう」を理解できているかどうか、です。
英語と違い、日本語には「どう?」の中に、やった?やってない?順調?トラブルはない?無事に終わった?まだ終わってない?など、いろんな捉え方がありますよね。
だからこそ、「どうだった?」とは「何を聞かれているのか」を考えることが大切です。
少し考えて、「相手が聞きたいであろうこと」に真っ先に答えてください。
すると、「どうして?」「詳しく聞かせて」となりますから、そこからディテールを説明していけばよいのです。
チャットコミュニケーションのポイント②「事実と感想を分ける」
次に理由を説明する。ディテールの説明では「事実が先。そのあとに感想を書く」ことを意識しましょう。
実はこれ、ほとんどの人ができていません。
よくあるケースが、怒られないように「言い訳からはじめる」+「事実と感想が混ざってしまう」こと。
こうなると、「よくわからないから電話しろ」とか、「こんど会社に来た時に会って話そう」、となってしまう。結局、相手の時間も自分の時間も奪われてしまうわけです。
例えば、上司が「今日の商談どうだった?」と質問したとします。
よくあるのが「イマイチでした…僕がこんな説明をしたら、あんなこと言われて…」という回答。上司からすると「事実」がまず知りたいわけです。
まず、「イマイチでした」と結論から述べる。
そして次に「見積を提出しました。ご説明もしました。すると、お客様からこんなことを言われました・・・」という風に、事実から先に話してください。
そしてその後に「私の話し方が悪かったのかもしれません」とか「お客様は価格に懸念があるので、調整する必要がありそうです」など、自分が感じたこと(感想、主観)を話す。
そうすれば、上司は「何が起きたか」という事実が把握できて、「そのことに対してあなたがこう思っている」ことが理解できます。
上司が「どうだった?」と訊いているのは、別に怒りたいからではありません。
事態を把握して、もしうまくいっていないのであれば、次に何をすればよいかのアドバイスがしたいのです。
ヘンに委縮してごちゃごちゃ言い訳しないようにしましょう。
チャットコミュニケーションのポイント③「短文で述べる」
最後に、チャットはとにかく、短文で述べましょう。
よくあるケースが「○○様、いつもお世話になっております…」で始まるパターン。「これ、チャットだと要らないよな」といつも感じます。
チャットの場合は挨拶は最低限にして、本題から始めてOKです。そして、上司でも取引先でも、「要件を箇条書き」でも問題ありません。
簡潔に要件を短文で伝えて、最後だけ「宜しくお願い致します」と丁寧に終われば、ビジネスチャットは成立します。
そして一文と一文の間にスペースを挿入して、「パッと見で言いたいことが理解できる」工夫も大切です。
チャットは「隣にいる人に話しかける」的なツールです。サッと要件を伝えて、サッと返事をもらえるのがメールとは異なる利点です。
それを意識して、メールとチャットをうまく使い分けしましょう。
まとめ
いかがでしょうか。今回は仕事におけるチャットの文章術、メールとの使い分けについて解説しました。
双方が簡潔に、正しく意図が伝わるように意識して、チャットをうまく使いこなしましょう。
●そもそもメールとチャットは違う文化。それぞれに適した伝え方がある
●相手が「何を」知りたがっているのかを考え、「結論から」先に述べる
●その後のディテールは。「事実」と「感想(主観)」を分けて書く
●一文を短く、行間を空けて読みやすくする
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