「先送り思考」をやめたい!~【仕事のタスク管理】テクニック

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「明日から本気出す」という“先送り思考”に悩む人、ものすごく多いです。ダイエットや友達との約束などプライベートでさえそうなのですから、仕事だと余計に「先送り」したくなる気持ちもよくわかります。

 

でも、こうした「先送り思考」が仕事にどう影響し、どういう結果をもたらすのか、正しく理解できている人は少ないと思います。

 

そこで今回は、「先送り思考をやめたい!」とお悩みの方に向けて、仕事におけるリスクと、それを防ぐタスク管理のテクニックを解説します。

 

 

「先送り思考」は、結局自分が損をする?

「明日できることは今日するな」という諺があります。人生は長い、慌てずゆっくりやりましょう、という教えです。

 

穏やかに毎日を過ごす大事な心掛けですが、仕事においては、真逆のマインドセットをオススメします。

 

すなわち、「明日やることで今日やれることはないか?」という思考法です。

 

なぜかというと、「先送り」すると「得した」つもりが、自分が「損をしてしまう」からです。

 

それは一体どういうことなのか。その理由を解説します。

 

 

仕事における「スピード」の大切さ

私はかつて30代前半でそれまで10年間務めた商社を辞め、IT系のベンチャーに転職しました。そこでまず、仕事のスピード感の違いに面喰い、衝撃を受けました。

 

それまで、お客さんと初回の打ち合わせ後、1週間ほどで見積を提出。数日経ってお客様から返答をもらい、必要なら再度打ち合わせして、実際に仕事が始まるのは初回の打ち合わせから2週間後くらい、場合によっては1か月後くらいかかるのも珍しくありませんでした。

 

ところが新しい職場では、打ち合わせが終わって数分後にはお客様から大量の資料がメールで届き、見積は当日中、提案資料も遅くとも数日以内には提出しないと、「遅い!」と言われてしまいます。さらには単なるモノ売りではなく毎回、課題解決策を「提案」しなければならず、個別の新たな提案資料の数十ページにもなるドキュメントを、もの凄いスピードでまとめないといけません。

 

最初は「なんでこんなに急ぐの?もう少し腰を据えて、ゆとりをもって進めましょうよ・・・」と疑問でした。

 

でも、ある程度やってみてわかったことが「依頼を受けて見積・提案を早く出せば出すほど、受注の確度が高い」ということでした。

 

依頼するお客様はこちらの回答が早ければ早いほど、「今すぐお願いします」と返答も早い。それが1週間とか寝かせてしまうと、忙しいお客様は「何の話でしたっけ」となってしまう。まさに「鉄は熱いうちに打て」です。

 

さらに経験を積むにつれて「時間をかけてもよいものができるとは限らない。スピードとクオリティを両立させてこそ本当のプロ」ということもわかって来ました。

 

「こんなに急がずに、もう少し時間をかけたらもっと考えられるし、良い提案ができるのに」と考えがちですが、相談された当日に着手してある程度まとめてしまい、翌日に見直すと頭の中がホットなので、いろんなアイデアが生まれて来ます。

 

それが数日寝かせると、「これってそもそも何の相談で、何を提案しようとしていたんだっけ?」と思考を「再起動」するための時間が必要で、実は効率が悪い。「時間をかけたら良いものができる」というのは、実は先延ばししたいがための言い訳なのだと気づきました。

 

それに気づいてとにかく「早く着手する」ようにすると、仕上がりまでの時間が目に見えてどんどん短縮していきました。仕事におけるスピードは、「初動」が命。「先送り」すると良いことは何もないのです。

 

コンサル業界の「Quick and Dirty」という教え

仕事において、とにかく「スピード」はものすごく重要です。「対応スピードが早い」には、時に仕事のクオリティの高さを上回る価値があります。

 

コンサル業界では、「Slow and Beautiful 」じゃなく「Quick and Dirty」でやれ、という教えがあり、新人時代にこれを徹底して教え込まれます。特に若手でキャリアが浅い間は「どのみち時間をかけてもクオリティが上がらないのだから、だったら粗くてもいいからとにかく早く出せ」ということです。

 

早ければ上司や先輩もフォローできますが、遅いとどうにもなりません。

 

とにかく早く取り掛かり、粗々でもいいのでとにかく早く提出する。それを先輩や上司にコテンパンにされて、提出ぎりぎりまでブラッシュアップを繰り返す。

 

これをひたすら「早く」回し、人よりも「数多く」経験することで、スピードとクオリティが両立できるようになるのです。

 

「先送り」思考の人が陥る、怖ろしいリスクとは?

 

私自身もそうでしたのでよくわかりますが、「先送り思考」の人は「急き立てられるのがイヤ」「仕事に追われているようでイヤ」。

 

だから「自分のペースでやりたい」と考えます。

 

でも、「今日やれることを明日でもいいや」とか言ってると、本来やるはずだった日に別の緊急事態が起きて、何も手が付けられないかもしれません。

 

別のことをやっているときに、以前に頼まれて忘れていた別のタスクを急に催促されて、慌ててやらないといけなくなるかもしれません。

 

そう、やるべきタスクを先送りしてると、結果的にかえってゆとりがなくなり、自分のペースで仕事ができなくなり、「なんだかずっと、いつも忙しい」状態になってしまうのです。

 

タスクから逃れようと「先延ばし」したはずが、そのせいで常に山積みのタスクに追われ、あちこちから催促され、放置していた仕事を慌ててやるので、普段ならやらないようなミスを犯してしまう。依頼から時間が経っているから鮮度も低い。

 

そして結果的に「遅い」上に「質の低い」ものを提出して、相手に失望されて、信用、信頼を失います。

 

これが「先延ばし思考」の人が陥るほんとうのリスク、怖さなのです。

 

まとめ

 

いかがでしょう。「タスクを先送りしたら自分が損をする」ということを、肝に銘じておきましょう。

 

先延ばしすることで目の前の時間に余裕ができて、得した!と思いがちですが、どうせやらないといけないタスクなら一刻も早く取り掛かり、終わらせて、未来の自分の時間を確保した方が、よほど得をするのです。

 

そして他の人よりも高い報酬を得る本当のプロは、スピードとクオリティを両立させることができる人です。そのためには毎日のあらゆるタスクを先送りしないで、できるだけその場で片付ける意識が重要です。

 

●仕事のタスクを「先送り」すると、却って自分のペースで仕事ができなくなる
●「先送り」すると急な対応で慌ててやることになり、遅い上に仕事の質も下がり、相手の「信用」を失う
● 仕事のタスクを「先送り」すると得したつもりが、自分が損をする!

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